2007年08月20日
画素数にこだわる理由 その3 ピクセルが足りない

Left:4×5からドラムスキャナでデジタル化 Right:1000万画素クラスのデジカメの画像を拡大して使用
話は前後するが、印刷・出版がデジタル化したのはかなり早い時期だ。私自身デザインをMacで行うようになったのは1992年からとなるのだが、この頃はまだ版下として出力し、写真はポジを別添で製版へ引き渡していた。
それから徐々に写真の加工をするようになり、ポジの代わりにピクトログラフィーという熱昇華プリンターで出力したプリントを添えていた。はじめは電線などの不要なものを消したり、ゴミを取ったり、いわゆる「レスポンス処理」的な事に使用していた。このレスポンスというのは大手の印刷会社が所有する機械で、画像をデジタル化して修正等を行っていた。確か専門のオペレーターがいて時間当たり数万円という感じで運用されていたと記憶する。この高コストな処理に代わって、デザイナーがPhotoshop等をオペレータ的な作業に使っていたわけだが、徐々に表現の手段としてフィルターを掛けたり、変形を施したりと、それまで見たこともない写真が広告を彩るのに時間はかからなかった。大手印刷会社もDTPの可能性を啓蒙しはじめるに至って、インフラは一変し、1995年頃にはフルデジタル入稿が可能となっていた。
しかし、それでも画像のソースそのものは相変わらずカメラが撮ったポジをスキャンすることに代わりはない。ほんの5〜6年前の話である。
ただし、小さな写真や合成するためのパーツはデジタルカメラのデータを使い始めていた。記憶が曖昧だが1998年頃だったか、知り合いが「デジタルCAPA」という雑誌の編集部にいて、「仕事にデジタルカメラを使っている人」として取材をさせてくれと依頼が来た。ポジからスキャンしたデータ上に、角度や見え方を合わせて、なるべく大きく写るようにデジカメで撮ったパーツのデータを合成する流れを見せたと思う。そんな時代を経て今日のようにデジタルカメラが画像のソースとなるのには、絶対的な画素数の問題があったためか、時間がかかったように感じる。
いや、今も画素数不足の問題は変わらない。上の比較写真は左が4×5からドラムスキャナでデジタル化したもの。右が1600万画素クラスのデジカメの画像を拡大して使用した状態のもの。似たようなパーツの部分を画面上200%で表示した時のものだ。一目瞭然である。右のデータはこのまま使うわけにはいかないので、これからなるべく左のような滑らかなものになるように修正を施していく。実際には修正と言うよりも「描き直し」と言った方が適切かもしれない。
投稿者 天一郎 : 2007年08月20日 16:51
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