long_logo2.jpgartwork.jpgichioku_on.jpgippin.jpg 目指せ一億画素!

2007年11月05日

ステッチングマシンを作る その13 縦横君をスイングさせる

camera_42.jpg

image:スイングシステム

camera_47.jpgNIKON PB-4のリア部分を作り替えたことで、縦横君を昇降させることができた。次はいよいよ、スイングさせる仕組みを製作する。前回の報告時にはすでに出来上がっている写真を載せた。昇降する部分の天面が丸い造形となっているのがそれだ。またも思いつきで各部に名前を付けてみた。昇降する部分はエレベーター。上の写真の角度だと構造がよく分かると思う。エレベーターの天面にはこのように中央の馬鹿穴を中心とした同心円状にレールが形成されている。回転テーブルのウラ面にはこのレールがピッタリ合わさるように加工を施した。回転させるときの摺道抵抗を少なくしつつ、正確な円軌道を描いて回転するための工夫だ。そして回転テーブルを固定するために、インナーローターが回転テーブル中央の穴にすっぽり入る。写真では見にくいが、インナーローターにはエレベーターと噛み合うように突起を付けている。つまり、エレベーターとインナーローターは回転テーブル固定ボルトによって、がっちりと勘合し、回転テーブルが抜けないようになっている。この3つの部品を組み立てると、左のようになる。

camera_48.jpgで、めでたくスムーズにスイングする事を確認(喜)。簡単にできたように書きましたが、本当はすごく大変でした。何が一番大変かというと、フライス盤で丸い形状の部品を作ること。本来インナーローターのような部品や回転テーブルとエレベーターに切削したレールなどは旋盤で作るべきなんだと思います。それを「ロータリーテーブル」という特殊な回転するバイスで、作ろうとしたもんだから、なかなか精度が出ません。「ロータリーテーブル」自体の剛性や精度が出ていないと、加工した部品が微妙に狂ってしまうのです。フライス盤による加工は、機械の精度以上のものはできないのだと確信しました。次に、回転テーブルにテーブル固定ノブを取り付けて、しっかりと固定されることを確認。このテーブル固定ノブは回転テーブルを貫通し、インナーローターの側面に食い込み固定する働きをします。

camera_50.jpgいよいよ、回転テーブルに縦横君を取り付けます。この二つの部品は、アリミゾによってスムーズにスライドするようになっていますが、縦横君のカメラ固定ノブの取り付けスペースや、回転テーブル上で縦横君を固定するためのレールを備えるために複雑な形状にせざるを得なくなってしまった。ガタもなく、スムーズな動きができるようなアリミゾ加工は図面通りに作ればOKかというと、それでは全く駄目で、先に縦横君を加工してそれをあてがいながら、回転テーブルを少しずつ切削加工している。もっとも、こんな複雑な形状にする必要があったのかは疑問ですが…。

camera_52.jpgはい、こんな感じでスイングとシフトするシステムが完成しました。もちろん昇降します。

camera_46.jpg一応、これで、ステッチングマシンの主要な部分はできました。ちなみに写真のGITZOの雲台をのぞいた状態でちょうど2kg。新しく作った部品はほとんどがアルミとジュラルミンなので、まあ軽量にできたのではないだろうか?(重いですか?)もう少し肉を盗むこともできそうだが、強度のこともあるので、しばらく様子を見ることにする。さあ、いよいよ撮影!
んが、しかし、厄介なものが残っています。それは、蛇腹…。

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2007年10月28日

ステッチングマシンを作る その12 縦横君を昇降させる

camera_41.jpg

image:昇降システム

camera_43.jpgNIKON PB-4のシャフトを止めているリア部分の部品を作り替えた。つまり、シャフトを固定しつつ上下移動するための機能を持たせることにしたのだ。今回はこの部分に絞って報告する。
構造は、両サイドにアリガタを成型し、ここに逆Uの字型の部品が差し込まれる。この部品に縦横君が乗っかることになる。それをPB-4の4本のシャフトに合わせて4つの穴を開けたプレートが押さえつけ固定する仕組みだ。固定方法は、写真で分かるとおり、シャフト固定部品を貫通したレバーをねじ込むことでプレートを引き寄せ、逆Uの字型の部品の動きを止める。

camera_44.jpg操作方法は、レバーを反時計方向に動かし、緩める。その状態で逆Uの字型の部品を下から持ち上げる。今はなんの印も付けていないが、ステッチングで必要な目盛りをつけることとする。ちなみに目盛りの単位となるのは、カメラの撮像面から若干のマージンを引いた大きさとなる。さらにはそれを縦用と横用を目盛る事になる。現在までのところ未だ実現していないのだが、目盛りに合わせて、クリックストップを付ければ、より使いやすいだろう。

camera_45.jpgで、必要な場所まで持ち上がったら、レバーをロック方向へ回して、固定する。フロントスタンダードには微動装置が必要だと、さんざん言ってきたが、逆にこの部分はスピードが要求されるので、微動装置ではかったるいことになると考え、このような仕組みにしたわけだ。移動距離は現在取り付けている部品では75mmまでOKだ。この逆Uの字型のサイド部分の長さを変えてやれば、4×5の長辺をカバーする92mmにも対応できるようにはなる。(今回は材料の長さが足りなかったのです、実は…)

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2007年10月27日

ステッチングマシンを作る その11 フロントスタンダードの取り付け

camera_34.jpg

image:フロントスタンダード部完成

camera_35.jpgNIKON PB-4のフロントスタンダードの上部を取り外し、代わりにWISTA45の「鳥居」を取り付けるための部品を作った。すでにウレタン塗料で黒く塗っているのでわかりにくいが、結晶塗装の部分が、PB-4本来の部分である。その上に乗っかっている「つや消し黒」の部品が今回作製したものだ。取り外した部品と同じ寸法のアリミゾを彫り、PB-4とドッキングさせている。しかし、このアリミゾは固定してしまう。で、上部の片側だけのアリミゾレールにWISTA45の「鳥居」を乗せて前側からもう片方のアリミゾを彫った別パーツをあてがい、ネジで締め込む。

camera_36.jpgこれが、WISTA45の「鳥居」を取り付けた状態。PB-4のスイング機構は残してあるので、このようにスイングする。ロックレバーもきちんと機能している。ちなみに、入手したWISTA45はごく初期の物で、状態はすこぶる悪かった。部品として必要な、フロントスタンダード部分は欠品もなく一応機能したので入手した。しかし、見るに堪えない状態であったので、無塗装部品は全てバラして磨き上げ、昇降させる金属ノブも現代的なプラスチックノブに取り替えた。また、塗装部品は全てつや消し黒のウレタン塗装を施した。

camera_37.jpgシフト動作は、前面のノブを緩めて、手でずらす。だが、正確な動作は望めないので、本当はラックアンドピニオンで微動させたい部分だ。さらには、センターに戻ったことが分かるように、クリックストップも欲しい。WISTA45では「鳥居」の下部分に目印となる赤いドットが付いていて、大まかにセンターであることが分かるようにはなっていた。しかし、今回作製した部品は、可能な限り低い状態で取り付けられるように設計したので、前部のノブが下方向斜め45°で取り付けている。そのため、肝心のドット部分が隠れてしまい用をなさない。目盛りを入れて対処は可能だが、使ってみてどうしても改善の必要が出れば、フロントスタンダードをそっくり作り替えるつもりだ。

camera_40.jpgで、レンズを取り付けて動作させてみた。レンズはMamiya RZの50mmだ。リンホフ規格の3番のレンズボードにジャンクのRZ用アダプターリングのマウント部分を取り外し、ボードにビスで固定している。イメージサークルの小さな67用レンズで、ここまで大きく動作させることはまず無いのだが、一応動きますってとこを見せたかったのです。ただ単に。

Posted by 天一郎 : 22:19 | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年09月30日

ステッチングマシンを作る その10 フライス盤のグレードアップ!

480.2560.jpg

image:Belt Drive Conversion Kit, Mini Mill

フライス盤を導入したおかげで、ステッチングマシン製作も計画通りに進んでいる。やはり、考えた通りの部品を作れるということはすばらしい。と、言いたいところだが、実際にはこれまでに大変な苦労を強いられてきた。まず最大の問題は、「うるさい!」。金属が削られるときに出る音は実は大したことはない。それよりも、フライス盤のモーターの動力を変速するためのプラスチックギアが「ガラガラ」とけたたましい音を立てる。もう、本当に壊れそうな勢いで鳴る。どうやら、この機種特有の問題で、最悪の場合ギアが割れてしまうらしい。これは何とかしなければと、ネットを徘徊。見つけました、ベルトドライブに変換するキットを。米のLittleMachineShopというところで扱っています。
http://www.littlemachineshop.com/


250.beltdrive_picture1.jpg実はこの機種世界中で売られていて、なかなか人気があるらしい。海外ではフライス盤は一家に一台は当たり前みたいだ。いや、ホントは違うと思いますが、それくらい半端じゃない情報量がありました。このベルトドライブなんてカワイイもんで、中にはコンピュータで制御できる「CNCキット」なんてモノもあります。CADみたいなソフトで設計した部品を勝手に削り出すんですよ!これは欲しい。いつか必ずやってみたいですね。で、ベルトドライブキットを早速注文、待つこと1週間。取り付け1時間。感動しました。すごく静かに作業できます。

fk12-1.jpg

それからもう一つの問題。フライス盤の切削能力。ステッチングマシン自体はアルミやジュラルミンを材料としている。これらの金属は比較的加工しやすい部類に入り、実際私のフライス盤でも加工できる。しかし、荒削りしたいときなどはパワー不足が露呈する。削り込む深さと面積を大きく、しかも早く削りたいときなどは、エンドミルが材料に食い込んで、止まってしまうのだ。それから、アルミばかりを削るわけではなく、例えば材料を固定する治具などを作らなければならないことがあり、その際は鉄やステンレスを使う。特にステンレスは厳しい材料だ。硬いし、粘る。出来れば使いたくない。まあ、所詮「ミニ」フライス盤だから、と納得するしかないのかと思っていたら、切削能力が格段に上がる方法があるということが分かった。やはり、この機種に特有の問題なのだが、テーブルから上の部分がスイングするのだ。しかし、本来は特徴となるはずだった機構である。加工物に対して刃物に角度をつけられることで、加工方法のバリエーションが広がるのだが、この機構のせいでフライス盤自体の強度が下がってしまっているのだ。具体的には、硬い材料の切削や深い切り込みを行う時には、大変な力が発生する。この力を受け止められないと、刃物がびびって切削面が荒れたり、最悪の場合刃物が材料に食い込み、折れたりする。この時、作業者に向かって飛んでくるかもしれないので危険だ。なので、この部分を補強するキットがある。Aミニマシンツールというところで販売されている。モノとしては3枚の鉄板だ。2枚をフライス盤の下に入れて、ボルトで固定する。もう1枚はフライス盤の背面に立てて、固定する。これだけで全体の剛性が飛躍的に上がるのだ。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~a-minimachine-tool/index.htm
このフライス盤は個体差が大きいので、各部の寸法を正確に計った上で注文する。約2週間で届く。取り付け2時間。いや、取り付け自体はすごく簡単だが、その後のセッティングに時間をかけた。効果は、すんごい!まるで別物の機械になったみたいです。鉄なら、バリバリ削れます。ステンはやはり難しいけど、まあ、なんとかいけるかな。削る量が増やせることもさることながら、切削面が綺麗に仕上がるようになったのは、うれしいっす!

Posted by 天一郎 : 02:54 | コメント (0) | トラックバック (0)

ステッチングマシンを作る その9 全体像を描いてみた

camera_33.jpg

image:ステッチングマシンの全体像

さて、縦横君が出来たのでそろそろ他の部分を製作しなければならない。本来、縦横君は独立した機材ではなくステッチングマシンの一部でしかない。このままでは三脚に固定すらできない。
プランとしては、NIKON PB-4をベースとする。理由は、コンパクトであることと、デザインが美しいから。この「美しさ」っていうのは、クリエイティブな作業に使用する道具には絶対に必要な条件だと、個人的に思ってます。で、PB-4で特徴的な4本のレールが織りなすスタイルは繊細で、どこか管楽器の風情を感じる。ただ、強度的には不利な面もあり、レールの真ん中あたりでは「たわんで」しまうのだ。だから、本当は現行のPB-6のようなブロックから削り出したモノレール構造の方が良いのだと思う。しかし、フロントスタンダードのスイングシフトが出来るのはPB-4だけなのだ。
そして、このフロントスタンダード部分にはWISTA45というフィールドカメラの「鳥居」部分を移植する。何故、WISTA45か。やっぱり、カッコイイから。あと、やはりコンパクトであること。しかし、中古カメラ店で実機を見せてもらったが、設計が古いのか、部品点数を減らしたかったのか、ちょっと?な部分がある。それは左右方向へシフトさせる部分に微動装置が付いておらず、手で直接動かすのだ。おまけに目盛りもないから、勘に頼るしかない。せめてセンターに来たことが分かるように、クリックストップは欲しいところだ。まあ、これでやってみて、どうしても満足できなければ、ラックアンドピニオンの微動機構を後付けするか、いっそ新たに製作しても良いだろう。上の図で示しているように、PB-4に本来ついているフロントスタンダードの上部を取り外し、WISTA45の「鳥居」を取り付けるための部品を作らなければならない。そして、縦横君を取り付ける部品も必要だ。この部分では「ステッチングマシンを作る その2」で検証したように、縦横92mm動かせなければならない。左右方向へは比較的簡単で、アリミゾを彫ることでクリアできる。頭が痛いのは、上下方向へ動かせるようにしなければならないことだ。何しろ大切なカメラを乗せるのだからしっかりと固定できるようにしなければ。さらに、スイングできたりするとなお良しである。
そして、最も重要なことは、PB-4本体を加工しないこと。だって、もったいないじゃん。
ちなみに、図の下、中央の真横のイラストに示しているのは、MamiyaRZレンズのフランジバック距離を再現した。薄く表示しているのはPENTAX67レンズのフランジバックだ。つまり無限遠にピントを合わせたときの位置となる。
いずれの場合も、スイング・シフトの領域は十分確保できている。

Posted by 天一郎 : 01:29 | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年09月16日

ステッチングマシンを作る その8 各部の詳細

camera_32.jpg

image:こんな具合に動きます

camera_25.jpgでは、縦横君の使い方であるが、まずカメラ底部にマウントプレートを装着する。市販のクイックリリースシューとほぼ同じような形状となっているが、D200専用と言うことで過度な強度を持たせることはせず、軽量に薄く仕上げた。また、D200底部のゴムプレートの凹凸まで再現している。これは可能な限り密着させるための処理で、ぐらつきを排除すると共に、マウントプレートがカメラを傷つける事を防止した。結果、マウントプレートが取れなくなってしまうほど、ピッタリと張り付いてしまうので左下のように空気を取り入れる小さな切り欠きを設けた。

camera_26.jpgカメラをマウントベースにスライドさせて取り付ける。カメラ固定ノブを締め込むと固定プレートがマウントプレート上部の斜面をくわえ込み押しつける。マウントプレートのアリガタの構造はアルカスイス規格のクイックシューと同様の形状を採用しているが、事前の調査が足りなかったせいで残念ながらアルカスイス規格のクイックシューに固定させることはできない。寸法が1mmほど小さいのだ。しかし、マウントベースにはまだ加工できる肉厚が残っているので、よほどの必要性を感じたらマウントプレートの作り直しをしてもかまわないと思っている。

camera_28.jpgわかりやすいようにカメラ固定ノブを取り外している。横位置の時はこのように、Hアームが水平になっており、側面に刻まれたアリミゾをアングル固定ノブが押さえつける。ここで改めて、アリミゾ、アリガタの説明をする。アリミゾは60°あるいは45°の角度を逆三角のように側面部分につけることでレールとして機能する。アリガタはこのレールの中に差し込まれる部品にアリミゾと同形状の側面を持たせたもであり、レールからはずれることなくスムーズに動かすことができる。また斜面であることから、例えば真横方から力を加えた場合、下方向へ押しつける働きも期待できる。つまり、多少クリアランスがあったとしても、締め付けたときに精度を出しやすい構造と言える。さらに、レール形状のものだけではなく、クランプする部品にもこの作用は有用である。この縦横君でもいろんな部分でこのアリミゾ、アリガタの構造を採っており、Hアームをアングル固定ノブおよびそのプレートが真横から締め付けた際、同時に下方向へ押さえつける力も働くため結果、マウントベースと基台ががっちりと固定される。

camera_29.jpg縦位置にした状態。サイドガードが基台上にピッタリと乗っかっているのが分かるだろうか。側面にはやはりアリミゾを刻んでいる。この状態でアングル固定ノブを締め込めば、横方向、下方向へ力が働きがっちりと固定される。

camera_30.jpg基台に設けられたリブ部分。これが、アングル固定ノブの締め付ける力を受け止めている。当然、Hアーム、サイドガード共にこのリブに接する部分が設けられており、締め付けの力を逃がさない構造になっている。

camera_31.jpg変し〜ん!アングルが変わる途中の状態。スリッパーはサイドガードに可動するように取り付けてあり、基台のアリミゾを滑っていく。縦位置時、横位置時は安定した状態を保っているが、アングル変換中の安定性を求めた結果このような構造とした。カメラの重量をHアームとスリッパーがしっかり受け止めているので安心感がある。また、動きもスムーズであり、ガタついたり引っかかったりもしない。途中いくつかの試作ではスムーズな動きを得ることができなかった。原因は主にカメラの重量がスリッパーに掛かったときに、スリッパー自体がレールの中で起きあがろうとする動きとなってしまい、構造的ブレーキとなってしまったためだ。スリッパーの形状をソリ、あるいはスキー板のように縦方向の摩擦を横方向へ逃がす形と寸法にしたことで解決することができた。また、スムーズな動きのためにはHアームの精度も重要で、組み立て式ではついにスムーズな動きを得ることはできなかった。1パーツにしたことでシャフトの通る穴の精度が上がったことと、固定のための力を掛けても狂いが出ずにスムーズさは常に安定している。また、軽量化のために大穴を開けたり、肉を盗むことも可能になった。

Posted by 天一郎 : 11:28 | コメント (0) | トラックバック (0)

ステッチングマシンを作る その7 いよいよ製作!

camera_24.jpg

image:縦横君の心臓部(って、おおげさな)

D200専用に割り切ることで、シンプルな構造で縦横君ができそうだった。ちなみにこの「縦横君」という呼び方は広告写真家 / 新藤修一氏の運営するサイト「 新藤修一の仕事場」の中で、カメラをレボルビングさせるデバイスをこう呼んでいる。
新藤修一の仕事場 : http://shindo-s.com/
このサイトでは新藤修一氏の素晴らしい作品はもちろん、毎月テーマを決めた「月例作品展」が催されており、たくさんの方達のアイディアに溢れた作品を見ることができる。また、撮影方法や機材についても氏の独創的かつ進歩的な姿勢で紹介されていて、本当に勉強になります。また、先日私の「縦横君」もご紹介いただきました。その際暖かい言葉を賜り感謝感激です。励みになります。ありがとうございました。さて、本題に戻る。上の写真で示しているのが縦横君のメカとなる。極力少ないパーツで精度が出るように考えてみたものだ。左上から、●基台=中央部にアリミゾが貫いているのが分かるだろうか。この溝にスリッパーが入る。また写真ではわかりにくいかもしれないが、アングル固定ノブで締め込んだときの力を受けるリブが立っている。●マウントベース=マウントプレートをつけたカメラを画面奥の方からスライドさせて挿入し、カメラ固定ノブで締め込む。形状としては3枚歯のゲタの様になっており、横位置の時に基台上でガタつきが出ないように仕上げた。軽量化のため四角くくりぬいている。●サイドガード=カメラの左側面をガードする部分。縦位置の時には基台との接触面となる。●Hアーム=基台上部の突起部分とマウントベース中央部をシャフトで連結している。シャフトは両サイドから頭の部分が薄い特殊な形状をしたボルトで固定する。このような特殊ボルトや黒いプラスティック製のノブなどはNBK 鍋屋バイテック会社でオンラインで1個から注文できる。そのほか自作派には嬉しいパーツがたくさん揃っているので興味のある方は是非ご覧いただきたい。
http://www.nbk1560.com/
以上が、縦横君を構成する各パーツである。それぞれ試作、修正などを含め何個か製作した結果、このような仕様に落ち着いた。特にHアームは当初組み立て式としていたが、精度が必要なこともあり、削り出しの1パーツとした。

ご注意:このサイトで紹介している機材は全て独自に設計製作したものですが、機材を自作される方のお力になれればと公開しています。構造や形状その他ご自由に応用していただければ嬉しいです。また、是非とも皆さんのお作りになった機材などをお知らせください。サイトで紹介して、自作の楽しさを分かち合いましょう。
それから、まさかとは思いますが、絶対にあり得ないと思いますが、「商品化したいんだけど」なんて奇特な方がいらっしゃったら、ご連絡くださいませ!
…そんな人、いるわけないか?

Posted by 天一郎 : 09:49 | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年09月15日

ステッチングマシンを作る その6 欲張らずD200専用で考えてみた

camera_21.jpg

image:D200専用レボルビング装置の作動原理

どんな機械でもそうだと思うが、シンプルな構造こそが壊れにくく、かつ精度が出せるのではないかと思う。そんなわけでステッチングマシンではなるべくシンプルな構造で行きたいと思っている。もちろん素人工作なので複雑なものは作れないのだが。で、レボルビング装置をいろいろと見てきたが、どれもが汎用であるがために、複雑な構造を採用せざるを得ないようだ。D200専用と割り切ってしまえば、ごくシンプルな構造でレボルビングができるはず。まずD200を横にした状態と縦にした状態ではどのぐらい寸法に差が出るのかを計ってみると、その差約12mm。ということは横位置の時この12mmの高さがあり、縦にしたとき0になれば良い。光軸が同じ位置で収まるようにするには、図のように回転軸ごと移動してしまえば条件を満たす動きができる。
camera_22.jpg実を言うと、ここに至るまでにはさまざまな方式でチャレンジしてきた。これは回転レール式をやってみたものである。完全に円形なこの物体は中華料理店などでおなじみの回転テーブルの台座だ。大きなベアリングといった姿をしており、D200のグリップ部分を逃げてやればすっぽりと入る。取り付けは鉄製アングル材をさらにもう一カ所曲げて台座内側のレールにボルトで留めてある。例えばこれを4×5カメラのリアスタンダードに取り付ければ良いのではと考えたわけだ。しかし、そうなると機材の大きさ重さが半端ではないことになる。ここまで作ってみたが、これは却下。今では我が家の食卓上で第二の人生を喜々として歩んでいる。
camera_23.jpgそして、リンク式でも試みている。この案で実際に制作をはじめたのだが、高い加工精度が必要なことと、回転プロセスでカメラが不安定な状態になってしまう事が分かった。真ん中の図がその時の状態で、リンクバーと回転軸がある角度になるとカメラの重さを支えきれずに回転軸やリンクバーの破断などが懸念されたので、これも却下となったのだった。

Posted by 天一郎 : 21:39 | コメント (0) | トラックバック (0)

ステッチングマシンを作る その5 縦横君を考えてみる

camera_20.jpg

image:レボルビング装置

さて、話は前後するが、フライス盤で部品を作るに当たってすでに多くのポンチ絵を描いている。そのほとんどがレボルビングについてのものだ。ステッチングマシンを作るにあたり、レボルビング機能を装備させることを最重要課題としたのだ。レボルビングとは、レンズ光軸をずらすことなく横位置、縦位置にカメラを回転させることだ。しかしステッチング撮影そのものにレボルビングが必ず必要かと言えば、実はそうではない。むしろ、機材をコンパクトにするためには省略してしまっても良いくらいであるのだが、今後予定している運用方法を考えたとき装備している必要があった。このあたりはいずれご報告する。
さて、レボルビング装置なるものをネットで探すもあまり需要がないのか、それほどの数は見つからない。日本の写真機材メーカーではWISTAぐらいだ。しかしこれは操作が煩雑そうである。そのほか海外製のものなどを眺めていると、おおむねリンク式と円形レール式の二つの方法であることが分かった。それぞれ一長一短がある。リンク式は位置決めがしっかりできそうだが、構造が複雑になる。BRONICAでも作っていたようだが、がっちり作りすぎたみたいで、大きくて重そうだ。おまけに指をケガしてしまいそうである。円形レール式は汎用性は高そうだが最初にセッティングをする必要があるだろうし、縦位置の時はレールの強度に依存している形なので不安定になりがちだろうと思う。

Posted by 天一郎 : 19:03 | コメント (0) | トラックバック (0)

ステッチングマシンを作る その4 さっそく使ってみた

camera_19.jpg

image:はじめて作った部品

このフライス盤は中国で生産されたもので、OEMとしていろんなメーカーから発売されている。それだけにある程度信頼できるものなのだろうと高をくくっていた。しかし一筋縄ではいかない。まず木箱を開けてビックリ。真っ赤なゼリー状の防錆剤が、これでもかと言うぐらい塗りたくられていた。購入したのは3月だったので石油ストーブ用の灯油がポリタンクに残っていた。それをウエスに染み込ませて拭き取ろうというのだが、半端な量じゃない。ウエスはみるみるうちにゼリーの固まりと化していく。そこで、プラスチック製の定規でゼリーを大方こそぎ落としてから拭き上げた。次はいよいよ作業台の上に持ち上げるのだが、50kgの鉄のかたまりは相当の根性を要する。うめきながらも何とか持ち上げ、作業台にあらかじめ開けた穴にボルトで固定をした。早速ハンドルを回転させテーブルを動かしてみるが、どうもガタがある。フライス盤の先輩達のサイト情報によると、やはり最初は分解して各部の締め付け直しや場合によってはサンドペーパーなどでの修正が必要だとある。機械の構造自体は恐ろしく単純で分解組み立てにはなんの問題もないのだが、とにかく油で手が汚れる。この時の写真がないのはそのせいだ。とてもじゃないが、カメラを触れる手ではない。そんなこんなで半日を掛け調整を済ませた。テーブルにバイスを取り付ける。この時の精度がそのまま加工精度になるのでノギスを当てながら慎重に行った。適当なアルミの部品をバイスにくわえさせて、エンドミルを取り付ける。電源を投入しダイヤルをひねる。エンドミルが回転をはじめた。さらにダイヤルをひねると回転速度が上がる。どのくらいの速度が適当なのかが分からないのでダイヤルをちょうど真ん中ぐらいにして、ゆっくりとテーブルを動かす。いよいよ切削だ。エンドミルが加工物に触れて切り子が出てくる。そのままゆっくりとテーブルを動かし続ける。削り取られた部分が美しく光っている。感動的な光景である。回転速度や切り込み量を変えながら無秩序にテーブルを後かす。こりゃ面白い!騒音を気にしていたのだが、切削すること自体で大きな音が出ることはないようだ。むしろフライス盤のモーター付近からのカラカラと不快な音の方が気になる。プラスチック製のギアがなっているのだろう。しかし、面白い。そんなこんなで数日間はフライス盤に張り付いていた。材料のアルミやアリミゾカッターなどを揃えて、いよいよ図面通りの加工をはじめた。最初はおっかなびっくりであったが、徐々に操作にも慣れ目的の部品を作ることができた。

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